西の空を見るとちょうど太陽が西の山の方に沈みかけていた。
「久しぶりに夕日の写真を撮ろうかな。」
学校で光里を車に乗せた後、そのまま車を走らせ、下田市の玄関口「尾が崎ウィング」へ。
尾が崎ウィングに着いた時は、太陽が今にも山の向こうにその姿を隠そうとしていた時だった。
「これであの太陽の上に雲があれば、もっと良い写真が撮れたのになぁ。」
それにしても、日が沈む時間になると急激に気温が下がり、その寒いこと、寒いこと。
でも、こんな時は空気が澄んで遠くまで見渡せるんですよ。・・・
尾が崎ウィングから東のほうへ目をやると、遠く水平線の上に伊豆七島がくっきりと見えました。
あの島々は、向かって左から、利島(としま)、新島、式根島、神津島となっており、利島と新島の間に見える小さな三角の島が鵜渡根島(うとねじま)。
そして、一番右端に見えるのは須崎半島の爪木崎です。
今日の昼間もあの島々が見えたのですが、ガスのせいで霞んでいたのに、この時間になってはっきりと見えるようになったんですね。
「きれいに見えるなぁ。」
と目を凝らすと、新島と式根島の向こう側に、もくもくと立ち上がる雲が見えた。
「おぉ、あれは三宅島だぁ!」
雲のように見えたのは、火山の噴煙(ガス)なんですよ。
白浜のこの場所からは、三宅島の島そのものはあまり見えないのですが、手前の新島の向こうに立ち上る雲のような火山ガスは見えるのです。
あれは2000年の夏。
全島民に避難命令の出た三宅島の噴火ですが、あの山(雄山)はいまだに活動を続けていて、今なお一日に1000から3000トンの火山ガス(二酸化硫黄)が放出され続けているそうです。
それにしても、こうしてあんなに近くに活発に活動を続けている火山を目の辺りにすると、地球は生きているんだ、と改めて認識しますね。